現存する中では日本最古の「神明造」として
国宝に指定されている、仁科神明宮に行ってきました。
ちなみにここは映画『犬神家の一族』でも「信州那須神社」として登場しています。
(以下、撮影は全て2019/10/6のものです)
「神明造」とは神社社殿の建築様式の一つです。
この建築様式で最も有名なのは、あの伊勢神宮なのですが
伊勢神宮の社殿は国宝には指定されていません。
ではなぜ、仁科神明宮がなぜ国宝に指定されているのか。
「日本最古の…」をキーワードに調べてみるといろいろな事実が分かってきます。
1)平安時代以降、この辺りは伊勢神宮の荘園「仁科御厨」だった。
2)この地域の領主・仁科氏によって保護される。
3)戦国時代(1586年ぐらい?)に仁科氏本家が滅亡。
4)1636年の式年造営を最後に、以後は部分的な修復のみ行われ
歴代松本城の城主によって庇護される。
…つまり、式年造営によって社殿が新たに造られるはずのものが、
部分的な修理のみしか行なわれてこなかった。
そのため、江戸時代初期の建物が現存している(=日本最古の神明造)ということのようです。
華やかなりし京の都や奈良の大きな寺院と違い、このような山奥になぜ国宝が…と
思っていたのですが、この仁科神明宮を参拝すると
有名だから国宝になるのではなく、その建物が持つ歴史や意味が大きいからこそ
国宝として存在するのだな、ということを実感します。
2019年11月15日から17日にかけて、式年遷宮祭が行なわれます。
興味のある方は参拝されてみてはいかがでしょうか。
仁科神明宮 http://www.sinmeigu.jp/