熱海より~まるで桜を愛でているかのよう・・・今もなお大衆の心に生きる義人「釜鳴屋平七」

熱海ホテルパイプのけむりから車で約10分「熱海親水公園」

義憤に燃えた釜鳴屋平七(かまなりやへいしち)

満開のあたみ桜の下で、海を見下ろす夫妻の銅像。

この時期、親水公園に行くととても美しい風景を見ることができます。

その後ろ姿はまるで咲き誇ったあたみ桜を愛でているよう・・・。

この銅像の人物はその昔、熱海の漁民たちを想い戦った義人「釜鳴屋平七」です。

安政の頃、熱海の浜に漁民一揆が起こりました。まぐろ網の権利をめぐり漁民と網元との

争いが日を追って激しくなり、こうした事態の中で網元の一人平右衛門の長男釜鳴屋平七は、

他の網元たちのひどいやり方に反対し漁民側に同情、網元から脱退、漁民に見方して解決を

図ったが、争いは収まりませんでした。このため、平七は漁民二百五十余人と共にムシロ旗を

立てて韮山代官所に押しかけ、平七は役人の制止を振り切って代官江川大左衛門に訴状を

差し出しました。代表者平七ら七人は捕らえられ、首謀者とみらされた平七は島流しの刑を受け、

文久三年十月(1863年)江戸から八丈島送りとなりました。しかし、船中での虐待で衰弱した

平七は大島におろされ、十一月四日三十五歳で亡くなりました。漁民たちは平七の遺志をつぎ、

長い間苦難の戦いを続け、ようやく勝訴を勝ち取ることができました。星露百余年、今なお

大衆の心に生きる義人平七の魂はここに眠っています。

武者小路実篤の言葉

銅像の下に、熱海ゆかりの文豪、武者小路実篤の言葉が記されています。

純粋無垢な人間が好きな武者小路実篤先生らしい言葉ですね。

実は釜鳴屋平七の子孫の方がやっているお店が現在もございます。

釜鳴屋平七の三男が興した熱海の有名老舗のひもの店「釜鶴」です。

ぜひ、この時期にしか見ることのできないあたみ桜の元にたたずむ

釜鳴屋平七の姿を見にお越しくださいませ。

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